50歳代になり家族の形態も変わってきました。
主人は定年退職をして家にいる時間が増えましたし、
子どもたちは成人して自分たちの人生を歩き始めました。
そんな時、ふと、終活の一環としての断捨離をしようと思いました。
それは、過去に主人の両親の介護をして看取った経験からそう思うようになったのだと思います。
主人の両親は戸建てに住んでいましたが、
二人とも晩年は要介護5となり介護施設に入居してもらいました。
主人の両親が相次いで他界した後に家を整理しようとしたら、
物であふれかえっていて大変に驚きましたし、その後の片付けが本当に大変だったのです。
その経験から、自分たち夫婦は子どもたちに「負の遺産」を残してはいけないと思いました。
不用品などは簡単に捨てられます。
もう何年も使わずに押し入れにしまいっぱなしだったものも迷うことなく捨てることが出来ました。
問題は、いわゆる「思い出の品物」です。
まだまだこれから断捨離をしていく段階なのですが、
早くも「思い出の品物」で手が止まってしまっています。
思い出と言ってもいろいろとありますが、まず悩むのが子どもたちの物です。
幼稚園時代から小学校・中学校・高校と絵を描くことが大好きな子どもたちは、
多くの作品を残しています。
高校生になると、本格的に油絵を始めていますのでキャンパスも何枚もあります。
子どもたちに確認を取って「これとこれは捨ててもいいよ」と言われた作品でも、
私にとっては思い出があり、お気に入りの物も多く、
ゴミ袋に押し込むことは簡単ではありません。
また、思い出の写真も処分するには考え込んでしまうものです。
今の時代でしたら、写真はデジタルカメラやスマートフォンで撮影して
データーとして保存しておけるのでしょうが、
私が若い頃は全てが印刷された写真でしたので、置き場もかさばりますし、
チェックしながら残すものと捨てるものを選別する作業は本当に大変です。
いざ「終活の一環として断捨離をしよう」と意気込んで始めたものの、
何かと手が止まってしまい、断捨離の難しさを改めて痛感しています。
断捨離を出来る人は、もともと物があふれかえった家には住んでいないだろうに、
私の家には「開かずの押し入れ」が幾つもあります。
とほほ~と思いながらも、自分自身のためにも断捨離を頑張らなければと言い聞かせながら、
今日も押し入れの前に座り込んでいます。
しかし、断捨離を始めて何週間か経つと気が付いたことがあります。
以前は、これは捨てられないなと思った品物も、
何回か手に取っているうちに捨てられるようになる物もあるのです。
こうして、少しずつですが、断捨離を続けていると
人生を見つめ直しながら老後を楽しもうという気持ちが出てきました。