私は、断捨離をする前の自分の所有物のうち、
本当に好きで必要な物は、せいぜい2割程度だけでした。
それ以外の8割を置いておくために、スペースを空け、お金を使い、
片付けるというエネルギーを使うハメになっていたのです。
いつも片付いている部屋にしておくためには、
用が済んだものは手間をかけずに捨てることが大切になります。
一つ手放すことで、次を取り入れる。
捨てることが、最優先事項となります。
これが実現できたら、入ってくる物は自然と厳選したものに絞られます。
それは、物に対する意識が、確実に変わっている証拠です。
漫然となんとなく、物と向かい合っていた暮らしから、
今の自分にふさわしいと思える暮らしに変わると、物を買う時の妥協がなくなります。
物欲は決して悪いことではありません。
断捨離を続けていると、物の選び方が磨かれ、より良いものを選択できるようになるのです。
「これでいいか・・・」ではなく、「これでなければ!」へと意識が変わるということ。
とはいえ、やみくもに、より良い物を求める必要はありません。
自分にとって、しっくりきて長持ちするもの、
そして、その使い道に適したものを求めるべきです。
オーバースペックという言葉があるように、10畳のリビングに、
大きな輸入家具や、巨大な家電はつりあいません。
何でも、最高級品を手に入れればいいということではありません。
物を購入するということは、つまり、自分の体の一部になるものを買うということなのです。
身の回りに置いておくのは、「大好きなものだけにする」と心に決めましょう。
欲しくてたまらないけれど、値段が高くて手の届かない憧れのソファーがあるとすれば、
間に合わせのソファーを、とりあえず買うのではなくて、
貯金をして、時間をかけてでも、そのソファーを手に入れましょう。
たとえ、それが浪費だと思っても躊躇しないこと。
間に合わせのソファーを手に入れてしまえば、
結局は自分がその程度の物になじんでしまうことになります。
これは茶碗やお箸も同じことです。
「いつか来るかもしれないお客様」のために高級茶碗は閉まっておいて、
自分達家族は、どこかの企業の粗品としてもらった茶碗を使っているという人もいるでしょうが、
頻度の低い非日常の物たちに、本来の日常が圧迫されてしまってはいけません。
自分にふさわしい物は「オマケのグッズ」なんてことになっていませんか?
好きな物に囲まれた生活を実現しようと思うと最初はお金もかかります。
でも、納得できるものだけを取り入れた生活は結果的に、
煩雑にならず、住まい全体が自然にスッキリと美しく整えられることになります。
物を購入する前にはまず、手にとって感触や重さを確かめて見ましょう。
開けたり閉じたり、締めたりほどいたり、目と耳と手の感触、
あらゆるものを使って、それが自分にぴったりか、用途にかなったものか、
厳しくチェックするのです。
直ぐに役立つもの、機能的で自分に使いこなせるものを身の回りに置くよう心がけましょう。
目指すは、厳選された少ないモノたちとの豊かな暮らしです。