自分の価値を、物の量で量っている人がいます。
バブル時代を経験した人は、仕事の成功の証として、
家の広さや、物をたくさん手に入れることという感覚が身に付いています。
家の中に、ある程度スペースがあると、
その空白に何かで埋める必要性を感じてしまうのです。
空白であるよりも、物でいっぱいになっている方が安心できるのです。
30足収納できる靴箱があれば、隙間無く30足の靴を詰め込む。
キッチンの引き出しには、食材を何年分も押し込む。
そうしないとスペースが損している気がするのです。
そもそも日本人は昔から、「これは使わないから」という不用品ほど、
すき間などの奥の方へ押し込む習慣があります。
でも、滅多に使わない物を目に付かない場所へ隠した瞬間、それは死蔵品への道をまっしぐら。
トイレットペーパーやラップ、食品など、「安かったから」という理由で、
大量に買い込み、押入れに詰め込んでいる人もいるでしょう。
これは、必需品が「なくなると不安」という気持ちの表れです。
しかし、ストックしておくにも、消費量に見合った適正量があるはずです。
もう既に在庫で家がパンパンだというのに、
買い物先で安売りのティッシュを見つけると、また買い足してしまう・・・
こうした物を「いつか使う」と信じ、引き出しからはみ出すほど、溜め込んでしまいます。
必要以上のストックは、ある意味で「安心」を買っているようなものなのでしょう。
逆に、そういう人は物を捨てると不安になり、落ち着かなくなります。
今までの状況が変わってしまうと、人は不安を抱くのです。
それに反して新しいこと、初めてのことには不安を感じます。
だから人は、今持っている物に固執し、今までの状況に執着するのです。
コンビニでもらった割り箸や、プラスチックのスプーン、食品についてきた保冷剤や紙袋などは、
日常的に出番はあるかもしれませんが、無尽蔵にある必要はないものです。
一定の量が必要な物は、「何個まで」だとか、「この場所に納まる分だけ」といった制限を設けるようにして、
さらに、ストックボックスなどに入れて、あえて目に付く場所に置き、使い切ることを考えるようにしましょう。
「今」必要な量だけにすることで、物置状態だったスペースにも余裕が生まれます。