断捨離を始めるにあたり、最初に行うのは物の取捨選択をして実際に「捨てる」こと、
と考える人が多いのではないでしょうか?
物を捨てる。
これを一切躊躇なく簡単にできるのであれば、
ここまで世間に「断捨離」という言葉が認知されて流行することもなかったはず。
つまり、物を捨てる決断は一番大変で苦悩するものなのです。
周りから見ればゴミのような不要品も、持ち主にしてみれば愛着のある宝物であり、必要な品物。
安易な気持ちと勢いでポイポイと処分はできません。
断捨離で最初に手掛けるのは「捨」ではなく、まずは「断・離」を行うのが比較的容易で継続しやすいです。
在庫の把握や家計簿をつけるのも手段の1つ、
と言っても家にある全ての在庫を把握する必要もなければ、
収支が一致するまで毎日キッチリ家計簿をつける必要もなく、
断捨離に特化した在庫表・家計簿を作成して気が向いたときに記録すれば十分でしょう。
堅苦しく考えないのがポイントです。
例えば、在庫があっても買い続けてしまう癖のある品物をピックアップして
「在庫あり・なし」を明記するだけでも違いが現れます。
その品物を発見しても在庫があれば買わない、買わないことで出費が減り、
それらの非購入金額を書き綴れば、次第に合計額は大きな数字になり
「無駄遣いしなかった」を実感できるはずです。
また、在庫があると分かれば、買わないといけない・買わずにはいられない、
そんな執着のようで一種の強迫観念に似た切羽詰まる気持ちから、
家にあるので大丈夫という余裕に満ちた気持ちに変わっていきます。
そして、物を増やさないよう意識する。
この意識だけでも家の中の物は減り続け、いつかは無くなります。
どれくらい時間が掛かるのかは分かりませんが、物が家に入らない以上、
増えることはなく自然と減る一方になる。
これは根本から生活の循環を変化させる土台作りにもなります。
「結果が出て完了するまでに、どれくらい時間が掛かるのか分からないような事を延々と続けるなんて、面倒臭い。」
そこで登場するのが断捨離の「捨」です。
ゆっくりと自然に物が減少する状況で、
人工的かつ強制的に減少させるための「捨てる」という行動が加わると、
物量は勢い良く減っていきます。
とはいえ「断捨離するぞ」と決意した人ならば一度はぶつかる「でもやっぱり捨てるのは、もったいない」の壁。
「もったいない」は、物を大切にしているからこそ生まれる感性ですが、
この言葉の本来の意味は、物を無駄にしている状況を戒める、なのです。
まだ使える・いつか使う・捨てたくない、そのような物を大切にする気持ちや考え方は、間違っていません。
正しいです。
むしろ、家の中の荷物を減らすために使える物・必要な物まで捨ててしまうのは、まさに本末転倒。
他人からは無駄に見えるような品物も、普段の生活で使えば立派な実用品になります。
物を定期的に使用して最後まで大事に使い切ってから初めて捨てることを考える、
それが本来の物を減らす1番の方法であり、
無駄を無くす王道であると同時に「買った物を使い切る」のは、
購入を決断したことは間違っていなかったという実績も相まって満足度も高く、
達成感も得られます。
もし自分では使い切れないならば、リサイクル店・フリーマーケットやネットの個人取引での
売却、寄付等をすることで新たな持ち主に使い切ってもらう方法もあります。
もったいない精神に溢れて物を捨てられない人が断捨離をするにあたって必要なことは、
捨てるための判断力・決断力・行動力よりも、
物を増やさないために増え続ける現状を断つ心を持続させ、
家庭内の在庫を把握して物に対する執着心を無くし、無駄なく使い切ってから「捨てる」を行うことです。
物を捨てる時は、本来の捨てる段階になってから行えば良いのであって、
もったいない精神が少しでもあると、捨てることから始める断捨離で綺麗になった部屋を見ても
気分がスッキリするどころかモヤモヤしたり、罪悪感が生まれてしまうでしょう。
出来るところから気長に無駄を減らす行動「物を使う・使い切る」を積み重ねれば、
断捨離の結果は自ずと後からついてきます。