弟の部屋は物が少なくていつでも綺麗、私の部屋はゴチャゴチャしていていつでも汚い。
それぞれが自分の部屋を持つようになった小学校時代から、20年経ってもそれは変わりませんでした。
断捨離の意識が違っていたことと、そもそも物を購入する数が違っていたと思います。
弟は必要最低限の物だけで暮らしていました。
それに比べて私はちょっとでも欲しいと思った物ならすぐ購入し、
それがどんどん部屋を狭くしていったのです。
そんな私が断捨離に目覚めました。
20代後半になり、実家を出ることになった時です。
もともと転勤のある家庭ではなかったので、引っ越しの経験がほとんどありませんでした。
段ボールに物を詰めるにも無駄に時間がかかっていた気がします。
かつての私のように断捨離が苦手な人に共通点を見つけました。
多くの人が思い出を大切にするという性格を持っているのです。
「思い出を大切にする」という言葉だけだと、
やさしいような人情味があるような印象を持たれるかもしれません。
しかし、断捨離においては「大事にしすぎて物を捨てられない」という欠点につながります。
片付けている途中で、写真や手紙を見つけると大変です。
思い出にふけって手が止まってしまいます。
でも、そんな中で断捨離に目覚めた瞬間がありました。
写真を見ていた私の横から母が覗き込んできて「見せて!見せて!」と言い出したのです。
写真のなかには恥ずかしくて母に見せたくないものもありました。
そして、「この子誰だっけ?」とか「あれ、こんな元彼いた?」などといろいろ質問されるのが面倒です。
その時ふと、「私が出て行ったあと、母が部屋のあちこちを見るかもしれない」と考え始めました。
その引っ越しは家族全員の移動ではなく私だけが出ていくパターンだったのです。
そう考え始めたら、「あれもこれも捨ててしまおう」と思うようになりました。
もう実家には昔の手紙も写真もほとんどありません。
そして再び私は断捨離に目覚めます。
それは、引っ越したあと久しぶりに実家へ帰った時のこと。
ここできっかけとなったのも母の行動でした。
その時母が着ていたものが、もともと私の服だったのです。
母はうれしそうに
「捨てようかなって言っていたから私が着てみたら、いけそうだったから着てみた」
と言います。
でもその服は若干ほころびていたし、母の世代に合うデザインではありませんでした。
その出来事から「下手に服を置いておいたら母に着られてしまう!着そうもない服はどんどん処分しよう!」
と思うようになりました。
それから服の数がぐんと減りました。
ちょっとイライラしたりヒヤヒヤしたりしましたが、
母のおかげで断捨離が出来る性格になれたので感謝しています。