思えば私が断捨離を始めるきっかけとなったのは、2011年の震災でした。
関西在住なので、被災はしていません。
ですが、それまでの「いいものを長く使うこと」「いざというときに使えるもの」
を持っていることの意義が私の中で消えていくのを感じました。
そして、「いつか行きたい、やりたい」と思っている「いつか」は訪れないかもしれない、
「いつか」よりも「今」が大事に思えるようになった人は多いのではないでしょうか。
「いつか」を「今」にするため、長年夢見ていたヨーロッパ旅行を決行しました。
便利グッズをたくさん持って、色んなシチュエーションに対応できる服をたくさんキャリーバッグに詰めて。
旅の帰りは古い服や靴を捨てて帰ってきます。
少しすっきりした部屋の中。
でも、残った服や靴はどこか使いにくいものばかりです。
使いやすいものはボロボロになるまで使うのに、使いにくいものを溜めてしまう。
そして溜まった物は静かに私のエネルギーを奪っていきます。
カビが生えたら捨てよう、何かの機会に捨てよう、
言い訳ばかりの生活を送っているような気になりました。
まず、段ボールに服や靴を詰め、半年間使わなかったものはリサイクルに回しました。
ブランド物のバッグは少しばかりお金になりました。
そしてまた旅に出ました。
今度は自分に必要な物だけを持って。
そして必要なものの少なさに自分で驚きました。
少ない物を早いサイクルで使えばいい。
掃除・洗濯・お手入れの回数が増えました。
便利グッズや雑貨は不要になりました。
物が減ったら、収納グッズが不要になりました。
収納するものが減ったので、家具も少しずつ処分していきました。
部屋が広くなりました。
面倒くさがりだった私がこまめに動くようになりました。
物がすっかりなくなった私の部屋を訪れた友人は、
「おしゃれな部屋」と言ってくれました。
それまで床のラグを買っては気に入らないと買い替えたり、
家具屋のカタログを吟味したりと労力を使っていましたが、
物が少ないことこそが美しいことに気づきました。
調味料や日用品も、それまではお得感を優先して買いだめしていました。
そして、そのストックがなくなる前に他の商品に変えたくて
しょうがない気持ちになることの方が多かったのです。
必要なものだけを必要な量、必要な時に買う。
多少高くついても、大切に使うので無駄がありません。
自分が本当に必要な物だけを持つようになって、
人から「それ、いいね」と持ち物を褒められることも増えました。
もちろん、買っても結局使わないものもありますが、
常に自分を更新して、自分の身の周りのものも更新できるようになったので、
快適な生活が送れるようになりました。