断捨離は、質素な倹約生活を目的にするものと、
勘違いしている人がいます。
断捨離は、清貧を良しとする考えでもありませんし、
節約生活の勧めでもありません。
断捨離は不要な物を手放すことで、真に大切な物を見つけ出すプロセスです。
買わない、持たないことが目的なのではなく、何を持つかを見極めるための作業なのです。
もちろん、その結果、倹約生活に繋がる人もいるでしょうが、
全員がそれを目的にしているわけではありません。
究極に考えれば、物がなくたって人は生きていけます。
家具やテレビや本棚、化粧台がなくても人は生きていくことができるのです。
洗濯はコインランドリーで済ませ、食事は全部外食にしてしまえば、
洗濯機も物干しも、鍋も食器も不要となります。
でもそれは、人間らしい暮らしとは言い難いものでしょう。
倹約生活を求めるあまりに、暮らしが我慢大会のようになってしまっては、本末転倒です。
物は少ないほど爽快ですが、暮らしを自分らしく、
楽しいものにしてくれるのもまた、物があってこそです。
また、大勢が断捨離をすることで、
経済が滞るのではないかと恐れている人もいるようですが、
断捨離することによって、自分により良い物を与えようと、お金を使うようになる人もいます。
妥協して3900円のバッグを買ったけれど、満足できずにすぐに飽きて、
また別の3900円の物を買う、ということを繰り返してきた人なら、
それを10回繰り返す代わりに、39000円の気に入っていて
長く使えるバッグを買うという発想に変わるでしょう。