私の姉は、夫と子ども2人と一緒にマンションで暮らしています。
あるときテレビ番組で断捨離特集を見た姉は、家の片付けに取り掛かりました。
私もそれほど遠くない場所に住んでいるため、断捨離期間中はよく手伝いに行きました。
姉の家は、マンションと言ってもかなり収納が多く、
上手に活用すれば家族4人分の荷物がきれいに収まりそうな雰囲気があります。
しかし、子育てに時間と手間がかかり過ぎるようで、家の中はいつも雑然としていました。
子どものおもちゃセットがなぜか洗面所にあったり、
キッチンの戸棚に印鑑をしまってあったりと、収納場所に苦労しているようでした。
とはいえ、姉はもともときれい好きです。
学生時代は部屋のスペースを上手く使い、インテリアを楽しんでいました。
家は散らかっていても、姉のカバンの中はいつも整理整頓されています。
片付けのやり方が全然わからないタイプではないため、
本気を出せば誰よりも上手に断捨離できるでしょう。
姉もそう思っていたようで「時間ができたらいつでも整理できる」と、
片づけを今まで後回しにしていたそうです。
姉の断捨離は、とにかく普段使っていないものを処分してしまうというやり方です。
着ていない洋服は売ったり、私に譲ってくれました。
食器は必要最低限のものだけを残し、あとは実家へ送ることにしました。
その他の書類なども、いつも目にしないようなものは全て捨てていました。
かなり思い切りよく処分していたので、断捨離が終わると、
家の中はモデルハウスのように片付きました。
しかし、姉は断捨離を行った際、
家電の説明書や思い出の写真なども一緒に処分してしまったのです。
最初は気づかなかったのですが、テレビの録画機能を使うため説明書を探していて発覚しました。
姉が学生時代に出場したピアノコンクールの写真など、
家族にとって大切なものも無くなってしまったのです。
中身を確認せず処分したクリアファイルなどがあり、
その中に必要な書類が挟まっていたのでした。
姉の断捨離が失敗したのは、いるものといらないものの選別をせず
「普段使わないから」という理由だけで捨ててしまったことが原因でしょう。
私は、断捨離は自分の心と向き合いながら、じっくり進めるものだと思います。
姉はわずか2日間という急ピッチで家中を断捨離しようとしたため、
このような結果になってしまったと考えています。
何事も準備が大切と言いますが、それは断捨離の場合も同じです。
いる、いらないをよく考え、きちんと分けてから処分するべきでした。