父親との断捨離

わたしの両親は離婚しており、母は数年前に他界しています。

そのくらいから音沙汰のなかった父親から連絡が来るようになり、お金の無心をされるようになりました。

 

昔から孤独な父親は実の親兄弟とも疎遠になっているようです。

なぜかと言うとそれだけ苦労をかけた自覚もあって自分から連絡が取れないのだと思います。

実の子であるわたしに対しても同じです。

子供の頃から苦労ばかりかけられて苦しむ母を見て育ちましたし、わたしはそんな父親が大嫌いでした。

 

わたしは結婚して子供にも恵まれ、人並みの幸せな生活を送っています。

そんな時にたまに電話が来ては父親からお金を貸して欲しいと頼まれるようになったのです。

本当は声を聞くのも嫌なほどです。

しかし、一番嫌なのは繰り返し電話が来ることでした。

わたしは嫌々ながらも2、3回お金を貸し、時には返してくれることもありました。

 

それが父親にとっては「返したのだから借りていないようなもの」

という都合のいい解釈でなかったことのように言われ、

だからまた貸して欲しいという言い分をぶつけてきました。

電話のやり取りを子供に聞かれるのも、

取り乱して泣いたり怒ったりするわたしを見られるのもたまらなくなり、

わたしは父親との断捨離を決めてそれを伝えました。

 

わたしがそうすることで父親が今後いかに頼るところがなく苦しむことは容易に想像できます。

それでも自分が自分でいられなくなるような心が乱されるその状況に耐えられなくなっていき、

今わたしが守るべき夫と子供との生活だけを考えようと決めたのです。

 

どんな親であろうと実の親に対して断捨離を考えるなどということは残酷な決断であるとわかっています。

誰かに理解してもらおうなんて思ってもいません。

しかしお金を貸すことで浪費しているとも考えられ、

貸さないことや借りるアテがなくなったら

とうとう観念して変わってくれるのではないかという期待もありました。

 

父親との断捨離を決めてからぱったりと電話が鳴ることはなくなり、

それはもしかすると父親のわずかながらのわたしへの優しさなのかもしれません。

 

それでも断捨離を続けます。

それがお互いにとって一番いい方法だと信じているからです。

違う電話が鳴っても、ついに父親から電話が来たのではとどこか怯えてしまうわたしがいます。

本当の断捨離は父親が亡くなるまで叶わないのかもしれません。

 

断捨離というのは間違いなく心を楽にしてくれましたが、

心を完全にリセットしてくれるわけではありませんでした。



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